懐かしの“フードファイター”に遭遇しつつ、ニューヨーカーにとっての日本食を考えたりする。

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タイムズスクエアのど真ん中で2日間にわたりアジアの食と文化を紹介する「TASTE ASIA」が開催されました。

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アジアン料理の美味しさをニューヨーカーにわかってもらおうというこの企画。

40以上のレストランや小売りがブースを出展(日本からはROYCEも来てたよ)

2日間とも世界中の旅行者が集まるこの場所で人数をカウント出来ないくらいの観衆を集めました。

(ゲストにはあのフードファターとして、懐かしい小林尊氏も来てたよ)

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ここに来て、本当の意味でアジアン料理、特に日本食はこの街で市民権を得ていると実感します。

マンハッタンのどこのストリートにも必ずと言っていいほど日本食レストランを見かけるし(バッタもん含む)現在、NYCで何軒の日本食料理店が存在するかは推定でしか計れないそうです。(というのも、フュージョンや、日本食という看板を掲げたチュイニーズも数知れず、なので)

僕が渡米した14年前はここまでではなかった。

当時は稲荷寿司には当然のようにワサビが入ってたし、回転寿司店ではレーンの向こうから、ゲタに乗ったままセットのお寿司が回ってきたり。

クイーンズのベトナム人が経営する日本食料理屋で「TENDON」を注文すると、
お重の底に、すのこを敷いて、その上に酢飯をペッタンコに敷き詰めて、海老フライを5〜6個投げ入れられたのが出されてり。

ブルックリンのパキスタン人が経営する日本食料理屋では、日本そば(いわゆるニ八蕎麦)で作られた「YAKISOBA」を出された事もあります。(あの黒い蕎麦を甘辛ソースで炒めてる)焼きそばの“そば”はこの“蕎麦”じゃないよ、と教えてあげると、爆笑しながら、SOBAと書かれている袋に入った状態の食材を持って来られて、「何を言ってるんだ、これがSOBAなんだよ」と逆に教えられ(?)たりもしました。

アメリカ人の女性とお寿司を食べに行った際、「あたしは本当に日本食が好きで、
お寿司を愛してるの!」とまでアピ―ルされるので、「じゃあ、なんのネタが好きなの?」と聞くと、とびっきりの笑顔で「ナスをカマンベールチーズで巻いたやつ♪」と返された事もあります。とびっきりの笑顔で「そうなんだ♪」と返すしかなかった。

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今はさすがにそんなことはないと思います。

お寿司屋さんでも、以前は「TUNA」や「YELLOWTAIL」と頼んでいたアメリカ人が最近では「MAGURO」や「HAMACHI」と注文する人も多くなったとか。

それでも先日、同じお寿司屋さんで、カウンターの隣に座ったアメリカ人が自分がオーダーして運ばれてきたお寿司のセットを指差しながら、一つずつ僕に「これ、何の魚?」と聞いてきました。「それは、TUNAだよ」「それはMACKERELだよ」
と教えて上げているところ、彼は玉子を指差しました。「(笑)それは玉子だよ」と答えると、あははは、と恥ずかしそうにひと通り笑った後、真顔で「で、なんの魚の玉子?」と聞いてきました。(彼はそのあと、ソースをかけるように、上から並んだ寿司全部に醤油かけてた)

(という、僕自身も15年近くここで生活して、ちょっとおかしくなってきてる。先日、日本からのお客さんに「あれ?天ぷらうどんってブロッコリーの天ぷら入ってますよね、普通?」って尋ねて、ドン引きされたり)

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何年か前に「スシポリス」という運動が、この国でも話題になりました。日本の農林水産省が伝統的な日本食を、外国が勝手に解釈した「まがいもの」から救う計画です。

そんなに悪い事なのかなぁ、、、と正直、僕は思ったりします。伝統を浸食するのは良くない事かもしれないけれど、その国々で国民の舌にアレンジしたもの、していくことこそが人類の食の歴史なんじゃないのかなと。( インドのCurry や中国の拉麺をカレーライスとラーメンの日本の国民食に変えた過去はどう説明するんだろう。しかも元祖よりはるかに美味しく!!)

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僕個人は全然、アリじゃないかなって思ってます。

焼き鳥にチーズが乗っかっても(美味しくはないけれど)、とんかつの上にピーナッツバターをぬられても(美味しくはないんだけどね、、、)巻き寿司の中にマンゴーが入ってても(いや、美味しいはずはないよ、そりゃ)トマトが天ぷらにされてても(あ。これは美味しいかも)

時代の流れにより、他民族のアレンジとともに、その国の国民に求められる物に変わって行く。食に限らず、あらゆる文化が融合されることこそがボーダーレスな世界になっていく。食から始めるインターナショナルもあっていい、と。

(いや、美味しくはないよ)